リウマチ科・アレルギー科

膠原病とは

膠原病とは膠原病は、皮膚や関節、血管、内臓の結合組織(コラーゲン)に炎症が生じ障害を引き起こす疾患の総称です。
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症(全身性強皮症)、シェーグレン症候群、混合性結合組織病、血管炎症候群、リウマチ性多発筋痛症などの自己免疫疾患をまとめた総称です。膠原病の中で最も発症数が多いのは関節リウマチです。関節リウマチは関節の症状が有名ですが、その他の膠原病は合併することも稀ではありません。関節や筋肉・骨などの骨格系の痛みやこわばりを生じることが多く、リウマチ性疾患とも言われます。

本来、外部から入ってきた細菌やウイルスなどを撃退する役割を持った免疫が、自分自身を攻撃することで発症します。関節を攻撃する場合には関節リウマチを発症します。関節のほか、皮膚、筋肉、血管、骨など自己免疫が攻撃する部位によってさまざまな疾患を発症します。

自己免疫が攻撃する部位によって現れる症状は大きく異なりますが、共通する特徴があります。原因がわからない発熱、関節や筋肉の痛み、こわばり、皮膚の症状、疲れやすい、イライラ落ち着かないなどが多くみられるため、こうした症状があった場合は、早めに受診してください。

関節リウマチについて

関節の内側には、滑膜という部分があって滑液を分泌してなめらかな動きをサポートしています。関節リウマチでは、自己免疫が関節を攻撃して滑膜に炎症が起こり、関節の痛みや変形を起こします。日本の関節リウマチの患者数は100万人近いとされていて、女性が8割を占め、発症のピークは働き盛りの30~50歳代です。
現在、薬剤や治療法の進歩によって有効な治療が可能になっており、特に早期に発見した場合は発症前とほとんど変わらない状態に回復できるケースも増えてきています。進行すると手足の関節が変形して日常生活に支障を生じ、全身の関節に炎症が広がって深刻な症状を起こす可能性がありますので、適切な治療を受けることが重要です。
特徴的な初期症状が起こることが多いため、心当たりがある場合にはできるだけ早くご相談ください。
関節リウマチと似た症状を呈する疾患は多岐にわたり、例えば、パルボウイルスや風疹ウイルスなどウイルス感染に伴う関節炎、膠原病(シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、混合性組織結合病、皮膚筋炎、多発性筋炎、全身性強皮症、ベーチェット病、血管炎症候群、成人スチル病、結節性紅斑、回帰リウマチ、サルコイドーシス、RS3PE症候群、再発性多発軟骨炎)、リウマチ性多発筋痛症、乾癬性関節炎、変形性関節症、痛風・偽痛風、関節周囲炎、血清反応陰性脊椎関節炎(反応性関節炎、掌蹠嚢胞症性関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患関連関節炎)、更年期障害、線維筋痛症、細菌性・結核性関節炎、リウマチ熱、がん(リンパ腫、白血病、その他の悪性腫瘍随伴症候群)、アミロイドーシス、感染性心内膜症などです。

関節リウマチの初期症状

朝のこわばり

朝、起きた時に、手足の関節がこわばって動かしにくい感じがします。しばらくするとこわばりが次第にゆるみ、違和感がなくなります。腫れぼったさ、むくみなどと感じられることもあります。こわばりの続く時間が長くなった場合には、進行している可能性があります。関節リウマチ以外の疾患でもこわばりが起こることがありますので、早めに受診しましょう。

関節の痛み・腫れ

関節の痛み、腫れ、熱感、赤みなどを起こすことがあります。手や足の指の関節、手首に起こることが多く、痛みは安静にしていても痛い、押すと痛い、動かすと痛いなどさまざまな現れ方をします。こうした症状は左右対称に起こりやすいのですが、片側だけに起こることもあります。

関節以外の全身症状

発熱、倦怠感、疲れやすい、食欲不振、貧血などを起こすことがあります。こうした症状がある場合、関節の炎症だけでなく肺や血管にも炎症が広がる可能性がありますので、できるだけ早く受診してください。

こわばりに気付く日常的なサイン

  • ボタンのとめ外しにもたつく
  • パソコンやスマホの操作がしづらくなった
  • ドアノブ、鍵などを開けるのに手間取る
  • ビンやペットボトルの蓋が開け難くなった
  • 紐やリボンを結ぶ、ほどくのがうまくできない
  • 歯ブラシやヘアブラシを使いにくいことがある
  • お箸でうまくつまめなくなった
  • 片手ではリモコンをうまく押せない

など

なお、関節リウマチの初期症状は、起床後30分くらいまでに現れることが多くなっています。朝の着替え、洗顔、食事などで上記のような症状があったら、関節リウマチの初期症状かもしれません。お気軽にご相談ください。

成人のアレルギー疾患について

成人の気管支喘息は、アレルゲンが特定できないタイプが多く、風邪や過労、ストレス、喫煙なども誘因となります。40歳を過ぎてから初めて喘息といわれる方も珍しくありません。ヒューヒュー、ゼーゼーして息苦しくなるものから、風邪のあとに空咳が続くようなものなど様々な呼吸器症状を認めます。一方で、喘息のような症状は、肺気腫や肺炎などの他の肺疾患、心不全でも生じます。当院では丁寧な診察を心がけ、必要に応じてアレルゲン検査やX線検査、心臓超音波検査を組み合わせて診断し、ガイドラインに準じた標準的な治療を行なっております。
外部から侵入した異物に対して過剰に反応してしまうとアレルギーです。代表的な疾患が花粉症です。スギやヒノキ、イネ、ブタクサなどアレルゲンは様々です。また、ハウスダストやダニ、イヌやネコのフケ、空調のカビなどでもアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎は生じます。サバやマグロなどの青魚、エビやカニなどの甲殻類、ソバやフルーツなどの食物でもアレルギーは起こります。じんま疹のような皮膚症状から、口・ノドの違和感を起こす口腔アレルギー症候群、かすれ声・咳き込み・息苦しさ・吐き気・嘔吐・立ちくらみなどアナフィラキシー症状まで様々です。
花粉症かも、食物アレルギーかもと思われたらお気軽に当院にご相談ください。スギやダニに対する舌下免疫療法やエピペンの適応や使用方法についてもわかりやすい説明を心がけております。
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