咳・鼻・のどの症状

咳の症状

鼻や口から入った空気は、気道を通って肺に届きます。この気道にホコリ、ウイルス、細菌などの異物が入った際に、それを排出するために起こるのが咳であり、実は重要な防御反応の一つです。 ウイルスや細菌を排出するための生理的な防御反応ですから、むやみに咳止めを服用して止めるのは逆効果になることもあります。お子さんの症状をよく診察させていただき、風邪、気管支炎、喘息、肺炎、アレルギーなど原因をよく見極めてから治療方針を考えたいと思います。たとえ日中は落ち着いていても、夜の寝室でお子さんの咳を聞いていると心配になると思います。学校や園の先生がお子さんの咳を心配してくださることもあると思います。辛そうな咳をしている時はもちろんですが、咳が続いてなかなか治らない時もご相談ください。

咳の症状がある場合の対処法

お子さんの咳を楽にするためにお薬は大切な仲間ではありますが、ホームケアはとても大切です。うがいは、のどの洗浄だけでなく、のどを潤す効果も期待できます。うがいがうまくできない場合には、こまめに水分をとって喉を潤すようにしてください。また、室内の湿度を50%以上に保つことも有効です。加湿器以外でも、濡れたタオルを下げておくだけでも湿度が保てます。
体を横にすると咳が多くなる場合は、クッションやバスタオルなどを入れる、小さいお子さんの場合は抱っこをするなどして、上半身を起こすと楽に眠れるようになることがあります。

早めに受診が必要な咳

  • ゼーゼーした呼吸をしている
  • ケンケンした咳が出る
  • 6ヶ月未満(特に3ヶ月以下)の赤ちゃんが咳をしている
  • 話ができないほど咳がひどい
  • 咳が続いて眠れない
  • 息苦しそうにしている
  • 水を飲もうとすると咳が出て水分を充分にとれない

鼻水の症状

鼻から息を吸うことで、冷たい空気や乾いた空気は鼻の中で温められて加湿されてから気管や肺に送られます。つまり鼻は加湿器や空気清浄機のような役目をしています。鼻水は鼻腔内に入ってきたホコリ・ウイルス・細菌などの異物を速やかに排出させるための生理的な防御反応として作られます。ただ、こどもは大人に比べると鼻の構造が未発達で鼻腔のスペースが小さいため、軽く鼻水が出た程度でも鼻づまりを起こしやすい傾向があります。また、鼻水がのどの方に流れてしまう後鼻漏で咳やたんが出るようになると不快感が強く、睡眠に影響を及ぼすこともあります。こどもの鼻水や鼻づまりは、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などの原因になっていることもあり、繰り返し発症して慢性化してしまうこともありますので、長引く時や辛そうな時は注意しましょう。
赤ちゃんがミルクや母乳を飲んだり、ぐっすり眠ったりするためには、鼻が通っていることが大切です。

鼻水がある場合の対処法

鼻をかむことができるお子さんは優しく鼻をかむようにしてください。強く鼻をかむのは避けましょう。乳幼児の場合には、市販の鼻汁吸引器や薬局などに売られている専用の器具を使って鼻水を吸い取ってあげましょう。また、鼻の周辺を温かい蒸しタオルで温めることで、鼻がうまく通ることもあります。
ご家庭でも小さいお子さんの鼻汁が上手く吸えるよう、季節や症状にあったホームケアをお伝えします。

受診が必要な鼻水

こどもの機嫌がよく、ほかに症状がない場合は少し様子をみても構いませんが、下記のような症状がある場合には受診が必要です。

  • 苦しそうに呼吸している
  • 口呼吸になっている
  • 食事量が減っている
  • 乳児の場合、ミルクをうまく吸えていない
  • なかなか眠れない・すぐ起きてしまう
  • 耳によく触れるようになった・耳を触られるのを嫌がる・聞こえが悪くなった
  • 3ヶ月未満の赤ちゃんで鼻づまりや鼻水がある

のどの痛みの症状

のどの痛みは主に風邪などウイルスが原因で起こっている場合が多く、発熱、咳、鼻水をともなうことが多くなっています。咽頭炎はのどの痛みと発熱をともなうさまざまな疾患の総称で、こどもはよく咽頭炎にかかります。ほとんどの場合には数日で自然によくなりますが、A群溶連菌という細菌感染によって起こっている場合があります。溶連菌は抗生物質でしっかり治療を行えば治りますが、治療せずに放置してしまうと腎炎などの重大な合併症が出ることがあります。

のどの痛みがある場合の対処法

うがいは、のどの洗浄だけでなく、のどを潤すためにも役立ちます。こまめに水分をとるのも有効です。室内の湿度を50%以上に保ちましょう。

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