気管支喘息・アレルギー性鼻炎・花粉症

気管支喘息とは

鼻や口から入った空気は、気道を通って肺まで送られますが、気管支喘息はこの気道に慢性的な炎症が起きている状態です。炎症で気道が腫れて空気の通り道が狭くなり、呼吸がうまくできなくなってゼイゼイ・ヒューヒューという特徴的な喘鳴という喘息発作を起こします。
発症の原因では、アトピー型のダニ(ハウスダスト)アレルギーが多く、それ以外のアレルギーでも起こることがあります。また非アトピー型の場合もあります。

症状

  • 急に咳き込んで話せなくなる、息苦しくなるなることがある
  • のどがゼイゼイ・ヒューヒューする喘鳴を起こす
  • 季節の変わり目に咳き込みやすい、息切れを起こす
  • 夜や明け方に咳や呼吸が苦しくて目覚めることがある
  • ほこりっぽい場所やアレルゲンのある場所で咳き込んだり、息苦しく感じる
  • 風邪でほかに症状がなくなっても咳だけが続く
  • 風邪が10日以上治らない

治療

喘息発作が起きた時に鎮静化する治療と、原因である気道の炎症を治して喘息発作を起こさないようにする治療を行います。吸入・内服、貼り薬などさまざまな薬剤があります。気管支喘息は、治療で症状が落ち着いていると薬を終わりにしてもよいのではないかと思ってしまいますが、特に症状がなくても気道の炎症が完全に解消するまでは治療を続けて、良い状態を長く保つことが必要です。小児科では小児気管支喘息治療・管理ガイドラインに基づいた治療をしています。
また、アレルギーが原因の場合は環境整備も重要です。医師からアドバイスを受けてご本人にもご家族にも無理のない範囲で行っていきましょう。
ダニアレルギーがある場合は、こまめに掃除し、部屋の布製品(カーテン・カーペット・布ソファ・ぬいぐるみ)などをできるだけ少なくしてください。

アレルギー性鼻炎とは

アレルギーによってくしゃみや鼻水などの症状を起こす疾患です。1年中症状がある通年性と、春・初夏・秋など特定の季節にだけ症状が起こる季節性に分けられます。季節性では、スギ花粉症が有名ですが、ほかのさまざまな植物の花粉によって発症する花粉症もあり、春以外の発症でも花粉症の場合があります。通年性の原因では、ダニ(ハウスダスト)、カビ、ペットの毛・唾液・フケなどがあります。
遺伝的にアレルギーを起こしやすい素因(アトピー体質)があって、IgE抗体が増加していると発症しやすいとされています。

症状

くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状で、目や鼻のかゆみ、鼻血、頭痛などを起こすこともあります。また、鼻づまりが続くと中耳炎や副鼻腔炎を起こしやすいため、そうした点も考慮して治療を行う必要があります。

治療

アレルゲンの除去や回避を基本に、必要があれば症状に応じた薬物療法を行います。通年性でダニなどが原因になっている場合は、こまめな掃除、換気、布製品をできるだけ置かない、布団に掃除機をかけるなどを心がけてください。

花粉症

アレルギー性鼻炎でも、花粉によって特定のシーズンにだけ症状が現れるのが花粉症です。春先のスギ花粉症が有名ですが、ヒノキ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、シラカバなどほかにもたくさんあり、初夏や秋などに症状を起こすこともあります、また、複数の花粉がアレルゲンになっている場合もあります。
症状はアレルギー性鼻炎と同様であり、気管支喘息や中耳炎、副鼻腔炎などを合併しやすい傾向があるのも同じです。
アレルゲンの除去では、室内、特に寝室や居間など長時間過ごす場所に花粉を極力入れないことが重要です。花粉飛散量が多い日は外出をできるだけ避ける、外出時には眼鏡やマスクをつけ、帰宅時に玄関前で花粉をよく払い、飛散量が多い日には窓を開けない、洗濯物を外干ししないなどを心がけます。
薬物療法もアレルギー性鼻炎と同様ですが、花粉症の場合は飛散シーズンの少し前に治療を開始すると飛散量が増えてからも症状を軽くできる効果が期待できます。

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